知性の終わり 2018 6 23

 私たちは進化しているのか。
いや、退化をしているかもしれません。
 文明というものは、
一直線に発展するものではなく、
時には逆戻りして、
「かつて高度な文明があった」と言える時代が来るかもしれません。

 私は、ある時、このような衝撃を受けました。
私がよく行った大型書店では、
1階が雑誌、文庫本、
2階が文芸、学習参考書、
3階が専門書(人文系、科学系)でした。
 3階には、多数の椅子があり、
科学書や経済の本をじっくり読み、
気に入った本を買って帰るという習慣でした。
 私は、この大型書店には、頻繁に行くので、
「この書店の近くに引っ越しをしようか」と考えたことがあります。
 ある時、「3階が閉鎖される」という掲示を見たのは、
いつだったのでしょうか。
もう5年も経つのかもしれません。
 確かに、「危機」を感じたことがあります。
3階で本を読んでいても、人の気配がしなかったのです。
巨大なフロアに数名だったかもしれません。
 「これでは、本屋が倒産する」と心配になって、
1階に降りてみると、お客で大混雑していました。
 2018年6月23日の読売新聞を見ると、
「出版不況」で本の売り上げが減ったと言われますが、
それ以上に雑誌の売り上げが減少していると書いてあります。
 雑誌の売り上げが減ると、本屋の経営は苦しくなります。
専門書は売れるものではありませんので、
雑誌の売り上げが本屋の経営を支えていたのです。
 本を読むことで、
数倍、いや数百倍の人生を生きることができます。
 本の著者は、金儲けしようとして本を書いているわけではありません。
自分が体験した貴重な経験を多くの読者と共有したくて本を書いているのです。
あるいは、著者が獲得した貴重な知識を多くの読者と共有したくて本を書いているのです。
 時々、私の人生の終わりが近づいているのかと思います。
私の人生は、本屋とともにありました。
今まで読んだ本は、数千冊、いや5000冊にも達したでしょうか。




















































































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